Monday, December 21, 2009

修士論文(論文奮闘記1)

珍しく研究について書くよ。
結構専門的なことってか自分のメモ的に書くので、読んでておもしろくないかも。。
でもみんなの意見とかも聞きたいので、なんか思うことがあれば些細なことでもいいのでコメントください^^


私の専門は音楽学で、今研究してるのは20世紀アメリカ芸術音楽史なんですが、その中でもアーロン・コープランドAaron Copland (1900-1990)という作曲家について主に研究しています。

日本ではそれほど知名度高くないかもしれないけど、アメリカではすごく有名で、有名な曲と言えば、《市民のためのファンファーレ》とかバレエ《アパラチアの春》とかなら日本のコンサートでもよく演奏されてます。

ちなみに
《市民のためのファンファーレ》は

こんな曲です。

(埋め込み無効だったのでリンク貼っときます。演奏:ニューヨークフィル/指揮:ジェームス・レヴァイン)

聞いたことあるかな?



彼は90年もの長い人生の中でいろんな種類の曲を書いたんですが、20世紀といえば、レコードや映画、ラジオ・・・いろんな大衆芸術が発展した時代で、そんな中で大衆との関わり方をすごく考えた人だったんですね。

1920年代には当時芸術家たちで活気づいていたパリに留学して、いろんなものを吸収して、ニューヨークに帰ってきてからも、当時アメリカ内外で注目されていたジャズを取り入れて作曲してみたりする。モダニズムの時代だったので、「新しいものを」という風潮があった。ヨーロッパにおいてもシェーンベルクが十二音技法を使って作曲したり、音楽界に限らず、美術の世界でも、文学界でも同じ。
ただ、コープランドは、パリ留学時代に、自国から離れて初めて感じることのできた、「アメリカらしい音楽を作りたい」という信念はずっと持ち続けていた。
そんなときに、1929年の株価大暴落による世界大恐慌の時代がやってくる。そこでいよいよ今までのような新しいものを求めすぎて大衆にわかりにくい音楽ばかり作っていてはいけないと思い、"imposed simplicity"(外から課された単純さ)を意識し始めるようになる。

その過程とその姿勢、考え方を研究者はポピュリズムと呼びます。

私はそのへんの研究をしてます。


ちょっとはしょりすぎたかもやけど・・・

これを考えるには、ジャズの存在は抜きにできないし、そうなるとやはりジャズの深い歴史と「ジャズとは何か」という問題にぶちあたります。普段アカペラでジャズ歌ってて好きやけど、その音楽の成り立ちとか背景とか、社会との関わり、アメリカ人の音楽学者とかが書いたジャズに関する論文とか読んで考えてたら、奥が深いなぁと思います。

あと、最近思ったこと。
初対面の人とかと話していて、

Aさん「学生?何年生?」
私「大学院の二年です」
A「へ〜〜専門は?」
私「音楽です」
A「え、じゃあ楽器とかやるの?」
私「ピアノは弾きますけど、どちらかというと音楽史とか歴史系です。20世紀アメリカ音楽史やってます」
A「じゃあジャズとか?ロックとかブルースとか、カントリー音楽とか?^^」
私「あ、どちらかというとクラシックの作曲家で・・・〜〜(以下略」
A「ジャズの○○とか誰々のアレとかいいよね〜〜あと誰々とか・・・・(以下略」


というふうに話が進むことがよくあります。
やっぱ20世紀アメリカってゆったらそっち連想するのかな?そっちもこっちもないですけどね。
そーいう、いわゆる芸術音楽とポピュラー音楽の垣根みたいな、それがあるとかないとかいう話も論文に盛り込んでます。

コープランドは、芸術音楽の作曲家として認識していいと思いますが、限りなくポピュラー音楽に近いというか。
そもそも芸術音楽("serious music", "high art music" or "concert music"などと研究論文などでは記される)とポピュラー音楽("popular music")の定義は何かって話から始まるよね。
いろんな論文で研究者がいろんな定義してるけど。



はい、私はこんな論文を書いてます。
という、初回は紹介のようになっちゃいましたね。


締め切りまであと一ヶ月きったので、自分の考え整理するためにもこれからたらたら書いてこうかと思います。

「つべこべ考えず音楽なんか楽しめればいいじゃーん!」

みたいな考えの人もいると思うし、それでいいと思うんです。

ただ、私はこんなことに興味を持ってやってます、こんな研究してる人もいるんですよーってことでさらっと見てもらったらいいと思います^^


そしてなんか思うところがあれば聞かせてくださーい^^


ほな、本文の文章を書こう!がんばる!

No comments:

Post a Comment